「パニック障害」と診断された私

私が初めてパニック障害になったのは、今から約10年ほど前のことです。

松原で親族の家族葬に参列した帰りの電車の中、突然息がしにくくなるような感触を覚え、その後、急な吐き気と不安感がつのり、心臓の鼓動が速くなりました。

いままで経験したことのない恐怖感。なんともいいようのない、怖いものでした。
その耐えがたい苦痛から、私は思わず最寄駅までたどり着く前に、途中下車をして休憩をしました。

ホームのベンチに腰掛け、何度か深呼吸をすると少し症状が落ち着いてきましたが、冷や汗があふれ、気が遠くなるような感覚でした。

次の日。私は何か重大な体の病気ではないかと思い、早速家の近所の内科にかかり、血液検査や、心電図などをとりましたが、結果はとくに異常なしでした。

そこで内科の医師から、精神科か心療内科に行くようにすすめられました。
「しかし、どこの病院がいいんだろう。電車に乗って、またあの『発作』が起きたらどうしよう・・・」

そう考えた私は、「電車に乗る」という、つい最近まで当たり前にできていたことが出来なくなってしまいました。

情けない感じもしましたが、
「電車に乗れないなら、歩いて行ける範囲の病院に行くしかない」
と、近くのクリニックに行きました。ちゃんと看板に、「精神科・心療内科」
と書かれていました。

そこで私は、このたび初めて経験した恐ろしい体験と、内科ではとくに異常が見られなかったことについて話すと、医師はこう言いました。
「典型的なパニック障害ですね」
「パニック障害」今までなんとなく耳にしたことはあったくらいですが、まさか自分がかかるとは。

私は、これからどうしてこの病と闘えばいいのか?
とてつもない難題を突き付けられたような感じになりました。